ブリーダーの犬舎見学で守るべきマナーとポイント。訪問の流れも詳しく紹介!
そもそも、犬舎見学は法律で義務づけられています。
犬舎見学は、購入を希望する子犬に直接面会をし、説明を受け確認することを意味します。
ブリーダーから犬をお迎えする場合、直接面会が法律(動物愛護管理法)で義務付けられています。
犬舎見学なしで子犬を迎えることはできません。どんなに遠い場所でも必ず会いに行く必要があります。あまり馴染みがないため、犬舎見学のマナーや注意点をご存じない方が多いようです。
そこでこのページでは、実はよく知られていない犬舎見学に関するマナーや流れ、注意点について解説します。
犬舎見学時のマナーについて。訪問時に守りたい6つのこと
ブリーダーから子犬を迎え入れる場合、犬舎へ見学に行く必要があります。ただし、見学ではわんちゃんの安全や幸せのために、守るべき6つのマナーがあります。
犬舎はペットショップと違うため、ブリーダーとのやり取りで迷惑をかけないように覚えておきましょう。
犬舎を見学する際は予約をしましょう
まず、犬舎を見学する際は事前予約が必要です。犬舎は、ペットショップのようにいつでも見に行けるわけではありません。必ず予約してからの訪問となるので注意しましょう。
また予約時にブリーダーに、「犬を飼った経験があるかどうか」や「飼っていた犬種は何か」、「購入意思の有無」を伝えておくと見学の際スムーズです。
※購入意思がない場合、お断りされる可能性があります。
見学時はブリーダーの指示に従いましょう
犬舎見学で最も大切なことは、ブリーダーの話をしっかり聞いて指示に従うことです。犬舎を訪れたときに、子犬の可愛さに夢中になって、ブリーダーの話が耳に入らないといったことにはならないようにしてください。
子犬の幸せのためにもブリーダーとの信頼関係を築いていくことが重要です。そのため、見学時はブリーダーの話をしっかり聞く耳を持ち、指示には従うようにしましょう。
見学する犬種の情報は、事前に調べておきましょう
犬が可愛いからという理由だけで飼うことは、わんちゃんを不幸にする可能性があります。
犬を飼いたい気持ちだけで飼ってしまったことで、知識不足や覚悟の足りなさにより、結果的にわんちゃんを手放すケースも少なくありません。
このような事態を避けるためにも犬を飼う際は、良い面ばかりに目を向けるのではなく、大変な部分もしっかり把握したうえで、本当に飼う意思があるのかを自分自身に確認するようにしてください。
思いやりを持って子犬と接してあげましょう
犬舎見学時は、子犬の見た目や健康状態をしっかりチェックしたいと思うでしょう。ですが、訪問のタイミングによっては子犬が眠かったり、たまたま機嫌が悪かったりといった状況もあります。希望する子犬を見つけたいからといって、無理に刺激すると子犬の健康を害することになるので絶対にやめましょう。
基本的にブリーダーは犬の健康を第一に考えているため、眠っている子犬を無理に起こしてまで会わせるようなことはしません。そのため、見学で全ての要望に対応できるわけではないということを、あらかじめ理解しておいてください。
購入意思がない状態での見学は避けましょう
犬舎はペットショップと違い、購入意思が無い状態で見学することはできません。誰でも見学可能にしてしまうと、たくさんの人に見られることで犬にストレスが溜まり、さらにはウイルスに感染する可能性が高くなるからです。
したがって、ペットショップのような感覚で犬舎を見学することは、マナー違反となるので注意しましょう。
同日に他の犬舎やペットショップを見学するのは控えましょう
最後に注意点として、同日に他の犬舎やペットショップを訪問した後で、犬舎を見学することはNGです。犬舎にはワクチン接種前の子犬がいるため、感染症にかかる可能性が非常に高いからです。万が一、他の犬舎やペットショップからウイルス、細菌を持ち込んでしまうと、その犬舎の子犬全員に危険が及ぶおそれがあります。
そのため、たとえスケジュールの都合上であっても、同日に複数の犬舎やペットショップに行くことは絶対にやめましょう。
犬舎見学の流れ
普通の人には馴染みがない犬舎見学なので、簡単に流れをおさらいしておきましょう。ブリーダーによって順番が変わる可能性はありますが、概ね以下の内容が一般的です。
- 犬舎の説明や案内
- 希望の子犬と対面
- 必要に応じて親犬(母犬)とも対面
- ブリーダーとの質疑応答など
1. 犬舎の説明や案内
まず犬舎についての説明や見学があります。
生活スペースをいきなり見せてくれることはありませんが、普段の犬たちの遊び場などは見学させてもらえるのが一般的です。
生活スペースについては、事前に相談をすれば見せてくれることもありますが、絶対見学できるわけではありません。
妊娠中の母犬や生まれたばかりの子犬などがいる場合、ストレスや感染症を避けるため、見学を断るケースもあります。
生活スペースも見学できれば今後の飼育の参考になりますが、見学できない場合は生活スペースについて詳しく話を聞くようにしましょう。
2. 希望の子犬と対面
希望の子犬と対面する瞬間が一番ドキドキしますが、ブリーダーの指示に従えば何も問題はありません。
購入に向けて、実際に家族になるかもしれない子犬と直接触れ合える大切な機会です。
直接触れ合うことで、性格や癖、相性が分かるかもしれませんし、実際に対面したことで生じる新しい疑問もあるかもしれません。
その場で質問できることはブリーダーに質問して解消するようにしましょう。
3. 必要に応じて親犬(母犬)とも対面
希望すれば、親犬を見せてもらえることもあります。
しかし、妊娠中や出産後の場合、母犬の健康に配慮して面会を控えていることもあります。
「親犬を見せてもらえない」という理由だけで悪質だと判断するべきではありません。
親犬を見れない場合は、写真や動画を見せてもらったり、遺伝や犬種の特徴について詳しく説明してもらうようにしましょう。
4. ブリーダーとの質疑応答など
見学や面会をしていく中でブリーダーに聞けばそれでよいのですが、飼い方や飼育スペースの作り方など気になることがあれば、お迎え前に質問して解消しておくべきです。
お迎えしてから「やっぱり違った」は通用しません。犬もブリーダーも新しい飼い主も、誰も幸せになりませんので、ちょっとでも気になることは必ず解決してください。
犬舎見学がスムーズに進むポイントや注意点
犬舎見学の際はいくつか注意点や抑えておきたいポイントがあります。
スムーズな見学のために、ブリーダーや犬たちに迷惑が掛からないよう、確認しておきましょう。
分からないことや不安なことはブリーダーに必ず質問・相談する
ブリーダーは、特定の犬を育てるプロであることに加えて、豊富な知識とたくさんの経験があります。本やネットにはない情報を持っているため、分からないことや不安なことがあれば質問して、積極的にコミュニケーションを取るようにしてください。
ブリーダーはわんちゃんとの生活が長いからこそ、子犬の特徴や性格についてもよく把握しています。ブリーダーと良好な信頼関係を築くためにも、しっかり質問してコミュニケーションを取るようにしましょう。
時期によって、生活スペースの見学や母犬の面会ができない場合がある
親犬の見学は健康状態以外にも、産後の影響で毛にツヤがなかったり神経質になっているなどの理由で、見学できない場合があります。
また、そもそも別の犬舎で飼育されているケースもあります。そのため、見学予約時に親犬の状態を確認しておき、事前に把握しておくようにしましょう。
どうしても面会したい場合は見学当日ではなく、事前の日程調整の際に相談をしましょう。
見学後は早めに購入意思について連絡をする
見学後にお迎えするか再検討するか、ブリーダーに意思を伝えます。基本的に問題がなければ見学後にお迎えの意思を伝えるくらいの気持ちで見学に行くのが良いでしょう。
犬舎見学をしたからといって即決する必要はありませんが、いつまでも保留にしておくのもダメです。
見学後に結論が出ない場合は、いつまでに購入意思を連絡をするか伝えたうえで、できるだけ早めに連絡をしてください。
連絡がないと他の問い合わせを保留にするなど、ブリーダー側も対応に困り、仕事に支障が出てしまいます。
犬舎見学と面会で問題なければ即決する、くらいの気持ちを持つのが理想です。
先住犬を無断で連れて行かない
既に飼っている犬(先住犬)との相性が気になっても、犬舎見学へ無断で連れて行くのはやめましょう。
見知らぬ犬が来ることでストレスがかかったり、病気になったりする可能性もゼロではありません。
事前に相談をすれば認めてくれるブリーダーさんもいますので、問い合わせの時点で確認を行いましょう。
対面が難しい場合、先住犬の動画を撮影するなどして、性格や癖をブリーダーさんに確認してもらい相性をみてもらう方法などもあります。
まとめ
法律上必ず会って説明を受けることになりますが、大切な家族を迎えるための面会です。
せっかくの機会ですから、希望する子犬との面会はもちろん、生まれてからずっと成長を見守ってきたブリーダーに質問できる貴重な機会と捉えて有意義な時間にしたいものです。
即決できるように、しっかり準備をして犬舎へ訪れましょう。
なお、「公益社団法人 日本動物福祉協会」が、公式サイト上に犬舎見学時に役立つチェックリストを公開してくれています。初めてで不安な気持ちがある場合は、犬舎見学の際の参考にしてみてください。
- ブリーダーから子犬を飼うメリットとは。購入からお迎えまでの流れも解説
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愛玩動物飼養管理士、いぬ検定、少額短期保険募集人の資格を保有。
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